機械式時計は、どんなしくみで私たちに「時」を教えてくれるのでしょうか。
裏蓋を開けて、中をのぞいてみたいと思いませんか？
そこには、ゼンマイや歯車やテンプが織り成す、
とても不思議な「時を刻むしくみ」が息づいているのです。
小さな宇宙ともいえる美しい世界へみなさまをお連れします。
この2つのルールを覚えておけば、時刻やカレンダー調整は、もう恐くありません。
1つ、カレンダーの早送りをするときは針の位置に注意すること。
2つ、リューズを扱うときはやさしくゆっくり。
さあ、くわしい手順をみていきましょう。
機械式時計には、時計のほかにいろんな機能が付いているものがあります。
正しい使い方をマスターして生活の中で活用してみてください。
日常の生活のなかで、機械式時計のメカニズムをいたわってあげるために
大切なポイントをまとめました。
故障を予防する上でも、ぜひお読みください。
はじめにゼンマイを巻きましょう。せっかく針を合わせても巻き上げ不足は時計が止まってしまいます。
リューズを右回りに回転させると、ゼンマイが巻けます。
ネジ込みロック式のリューズの場合は、まず左回りに回転させてロックを解除した後、右回りに回転させてください。
※リューズでゼンマイを巻く際は、ゆっくり巻き上げてください。
リューズをいっぱいまで引き出すと、時計の分針を動かせます。
左回りに回転させて、針を午後1時にあわせましょう。
ネジ込みロック式リューズの場合は、ロックを解除しなければ、リューズを引き出すことはできません。注意しましょう。
時刻を合わせたら、リューズを元の位置に押し込みましょう。
ネジ込みロック式リューズの場合は、リューズをゆっくり押し込みながら右回りにまわせばロック完了です。
リューズを押し込むと、秒針はすぐ動き出しますが、歯車のしくみで分針に動力が伝わるまでに20秒ほどのタイムラグがあります。
より正確な時刻合わせを行いたい方は、あらかじめ分針の位置を20秒ほど進めておき、その後、リューズを押し込むようにしましょう。
モデルや個体によって、何秒、分針を進めればいいか、違いがあります。自分の時針の癖を見つけましょう。
リューズをいっぱいまで引き出して、時計の分針を動かしながら、カレンダーの日付が切り替わったことを確認してください。
これにより針がいま午前0時を指していることがわかります。
機械式時計の場合、針の位置が午後8時から午前3時の位置にある状態でカレンダー早送り機構を使うことは禁止です。
針をいったん午前6時にあわせましょう。
※ブライトリング・キャリバー01など、自社開発ムーブメント搭載モデルはいつでもカレンダーの早送りが可能ですのでこの手順は不要です。
リューズを最後まで押し込み、再び、１段階、引き出します。
その位置で、リューズを回転させると、カレンダーの日付が早送りされて切り替わります。
リューズの上のボタンを1回押すと、クロノグラフ秒針がスタートして計測を開始します。
クロノグラフ秒針を停止させるには、スタート時に押したボタンを再び押します。
計測が完了したら、リューズの下のボタンを押してください。
クロノグラフ秒針や積算計の針がすべてゼロ位置にリセットされます。
計測完了後は、クロノグラフの針をゼロに戻す習慣をつけてください。
またクロノグラフを延々動かし続けていると、時計の精度やパワーリザーブに影響が出ることがあります。
時計の起源は、日時計です。太陽の位置さえわかればその場所での方位がわかります。時針の短針の延長線を太陽の方に向けてください。そのときも文字盤の１２時と短針の中間が南の方角になります。ちなみに南半球では表示の方角が逆になります。
回転計算尺を使って掛け算をしてみましょう。
簡単な操作で計算ができます。
外側のスケールを回転させて、10ポイントに13をセット。
そのとき内側のスケールの7を確認。7と向かい合う数字が回答。
掛け算は内側の赤字の▲10を使います。
例えばA×Bの場合、外側の数字Bを内側の赤字の▲10と向かい合うようにセットすると、内側の数字Aの向かい合う外側の数字が答えになります。
回転計算尺を使って割り算をしてみましょう。
簡単な操作で計算ができます。
外側のスケールを回転させて、12を内側のスケールにある8と向かい合うようにセット。
そのとき10ポイントの指す数字が回答。
割り算は内側の赤字の▲10（10ポイント）を使います。
例えばA÷Bの場合、内側の数字Aの向かい合わせに、外側の数字Bをセットすると、内側の赤字の▲10（10ポイント）と向かい合う外側の数字が答えになります。
回転計算尺を使うと、時速や移動距離も手軽にわり出すことができます。ここでは移動距離と時間から必要な時速を計算してみましょう。
外側のスケールを回転させて、27.5(km)を内側のスケールにある30(所要時間)と向かい合うようにセット。
※計算尺では0の値は省略または追加して計算します。
速度（時速）を求めるときは内側の▲MPH（マイル・パー・アワー）を使います。
例えば分かっている数字が、距離Akmと時間B分の場合、内側の数字：時間Bに外側の数字：距離Aをセットすると、内側の▲MPH（マイル・パー・アワー）と向かい合う外側の数字が答えになります。
回転計算尺は海外でのショッピングでも役立ちます。
面倒な外貨も換算を素早く計算することができます。
(1スイスフラン=90円の場合）外側のスケールを回転させて、90を内側のスケールの10ポイントと向かい合うようにセット。
※計算尺では0の値は省略または追加して計算します。
為替の計算をするときは内側の赤字の▲10(10ポイント)の数字を使います。
例えば1€=A円の場合、B€が何円かを求める場合、外側の数字Aを内側の赤字の▲10(10ポイント)と向かい合うようにセットすると、内側の数字Bの向かい合う外側の数字が答えになります。
カレンダーを早送りする時は、まず、あなたの時計の針が何時を指しているかを確認してください。
機械式時計のカレンダー機構は、その時計の針が午後8時～午前3時を指している時間帯にゆっくりと歯車が噛み合い、
カレンダー窓の日付を切り替える しくみになっています。この時間帯に早送り機構を使うと、歯車に無理な力がかかり、故障の原因となります。
午後8時～午前3時とは、あくまでも時計の針の位置であって、現在時刻とは関係ありません。
ブライトリング・キャリバー01など、自社開発ムーブメント搭載モデルはいつでも（＝時針が何時の位置にあっても）早送りが可能です。
ケースの汚れ、裏蓋に付いた汗は、セーム革など柔らかな布でよく乾拭きしてください。うっかり汚れた布で拭かないよう、布の状態も確認しましょう。頑固な汚れは、自分で無理やり落とさずに販売店や技術者に相談してください。
３気圧防水。雨に濡れても大丈夫な程度。
水道の蛇口の水がかからないよう、ご注意ください。
５気圧防水。洗顔で水道の水がかかっても大丈夫な程度。
時計を水中に入れるのはやめましょう。
10気圧防水。うっかり水中に入れても大丈夫です。
ただし水泳は避けましょう。
腕の振りで10気圧を超える危険性があります。
30気圧防水以上。ダイバーズとしての性能を備えています。
水中での使用が多い方は、１年に１回、通常は２年に１回、防水テストを受けてください。
ネジ込みロック式リューズはリューズがロック位置にある場合のみ、本来の防水性能を発揮します。
万が一のためにロックをいつもお忘れなく。
知らない方が多いみたいです。ゴルフやテニスや野球のインパクトの瞬間、腕にはかなりの衝撃がかかっています。
ジャストミート！それは時計にとって落下のショックと同じです。
時計の部品は金属なので、磁石のそばに置くと磁化して精度に影響が出ることがあります。
携帯電話、パソコン、マグネット式のポーチなどには、なるべく5㎝以内に近づけないようにしましょう。
防水性能が高い時計でも、お風呂でははずしましょう。
時計内部が高温になると、油が拡散したり、文字盤が劣化したりします。また温泉成分や石鹸がパッキンやケースに付着して劣化する可能性も考えられます。
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